ICCに行ってきました。
潰れるまえにもう一回、ということで。
ローリー・アンダーソンです。
いろいろありましたが結局この人は
ミュージシャンでパフォーマーだなぁと思ったのが一番。
で、体の部分部分に小さな電子パッドのようなものが着いている
ドラム・スーツを着用して体をたたきながら
その動きそのものがダンス(?)として成立している
という作品がありました。ビデオ上映ですが。
体の動きそのものを音にしようという企ては昔からあって、
レフ・テルミン博士もそんなん作ってなかったっけ?
とかなんとか思い出しました。
まぁそれはおいておいて、
同日に新国立劇場であったシンポジウム「越境するダンス」で
打楽器奏者の高田みどり氏の紹介ビデオのようなものを見たとき、
筋肉を動かすための電気パルスを音に変換したりとか
心音だとか血流音だとかをアンプリファイして
その音とその体の動きを提示するという作品があったのです。


体に付けられたパッドによって
動きに付随する外挿的音を演奏するローリー・アンダーソン
はたまた体の内側にある音を
そのままアンプリファイして演奏する高田みどり、
同じ、動きを音に変換する作業にしても
大きく分けるとこういう二つの分け方があると思います。
これは、ものに対してその本来的な機能をある程度重んじながら
その機能のほかに何か(アンダーソンなら音)を付けたし、
もののあり方そのものを拡張してゆくやりかたと、
ものの内側にあるそれを機能させるための部分に
目を凝らし耳を傾けるやり方、という風になります。
ローリー・アンダーソンがパフォーミング・アートの第一人者とみなされたことと、
高田みどりが声明との演奏をやり続けていること、
あるいはフリージャズトリオ、トン・クラミ(佐藤允彦、姜泰煥)
などに参加していることとを考えるとなかなか興味深い対比です。


以上くだらない雑文でした。