ヒトラー 最期の12日間」を下高井戸シネマにて。
ブルーノ・ガンツは相変わらず切れてるなぁ。怪演という言葉がぴったり来るような感じだ。ドイツ映画史にそんなに詳しいわけではないのでここら辺は予測でしかないのでけれども、ここまで大掛かりにヒトラー/ナチズムを扱いながら、あまりにもわかりやすい批判を避けた映画というのはドイツではなかったのではないだろうか。映画的な問題はいろいろあるし二時間半という尺に多少飽きが来るけれども、地域的なコンテクストの中で映画を語るときに、ドイツでは絶対外せない問題をこのような形で映画化したことそれ自体にものすごく大きな意味があるのではないだろうか。そういう意味でこの作品をぼくは最大限に評価したいと思った。
空中庭園」をポレポレ東中野で。
多摩住民にとってはいやーな映画だろうなこれ。映画上のギミックとしてホテル野猿(のざる)というラブホテルが出てくるのだけれど、もちろんこれは中大・帝京大あるいは多摩市民にとっては一度は名前を聞いたことがあるはずのホテル野猿(やえん)からきてるものだし、ロケーションの大部分が南大沢〜多摩境(都立大や多摩美があるあたり)で行われている。あの辺のいやーな感じを知った上で見てるのと見ていないのだと大きく違うんじゃないだろうか。カメラワークは長回しを多用して小技も結構はさみながら、でも小気味良い感じでなかなか好感が持てた。つなぎ方にしてもうーん、とうならされるような結構いい感じ。気になったのは原作上の問題ではあるけど、あの土地に救済があるのかという問題。角田光代の『空中庭園』は読んでいないのだけれども、多摩ニュータウンに救いがあるのはどうなのだろう。壊れてしまった(ように見える)家族にも愛はあるというところにこの作品は救いを求めるんだけど、なんか問題がすりかえられてしまったように思う。まぁでもこれも悪くないと思います。1500円出してみる価値は十分あると思う。よかった。
「花井さちこの華麗な人生」をポレポレ東中野のレイトショーで。
ピンク映画です。俺の中のキング・オブ・ピンク映画男優の伊藤猛が年季入ってていい感じです。最高。爆笑。そしてエロい。これ以上言うことはないんじゃないだろうか。ブッシュのコケにされ具合とか絵の撮り方とか、これの上映前の予告で松竹の110周年映画祭の宣伝で忠臣蔵が流れたのとか、いろんな要素が先日見たドラびでおを思い出させてそこら辺でも笑ってしまった。彼の李博士キンチョールのCMのコラージュとかも思い出してしまった。いやほんとに面白いです。笑うしかないでしょう。上の二本見たあと、一日の締めとしてこの映画を見れたことは幸せだったように思う。最高です。