キース・エマーソンの空中で回転するピアノはおそらく、西洋音楽の母である「ピアノ」という楽器を脱構築しようとする試みであっただろう。
このあたりのことは、コンセプチュアル・アートとの関連の中で語られるべきことであるに違いない。
彼が非常に高価な楽器をいきなりぶち壊したりし始めるのもおそらくそういう彼の思想面から来る講堂であったはずだ。
EL&Pを結成する祭に、ジミ・ヘンドリクスを呼ぼうとしたという有名な逸話は、二人がおそらく思想的に非常に似ていたのであろうことからくる仲のよさと、ジミヘンの歪んだ「星条旗よ永遠なれ」と、エマーソンの回転ピアノとの関連、ということから考えて本当の話なのだろうと思う。
彼らは自らの所属する共同体の欺瞞を暴くことを音楽という世界でやってのけたのだ。
その上でエマーソン・レイク&パーマーを聴くということ、ジミ・ヘンドリクスを聴くということは、コンセプチュアル・アートを見ることと同じ位置にあるはずだ。
プログレファンよ!もっと胸を張れ!